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奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム(東京都庭園美術館)

  • akimit0519
  • 2022年2月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:2022年2月20日

先日、行ってきました!


入館前、遠目から奇抜で目立つ(オシャレな)ファッションの方が門に吸い込まれていくのちょっと面白い。

まだ始まったばかりということもあってか、予約制なのになかなかの混み具合。


夫と私は元々、アートの中でもシュルレアリスム好き!(しかもデルヴォーとか)って意気投合したり、「庭園美術館」で過去に見た展示(ブラジル先住民族の椅子/出会う前にお互い別々に行ってた)のことを話したなぁなんて経緯もあって、今回の「奇想のモード」は告知を見た瞬間に、これは一緒に行かねば、と思っていたので、早々に来られてよかった。



展覧会の概要より引用:

20世紀最大の芸術運動であったシュルレアリスムは芸術の枠を超えて、人々の意識の深層にまで影響力を及ぼしました。革新的な意匠を生み出し、時代を先駆けようとする優れたクリエーターたちの表現は、時にシュルレアリスムの理念と重なり合うものであり、モードの世界にもシュルレアリスムに通底するような斬新なアイデアを垣間見ることができます。

ということなんだけど、今までシュルレアリスムの各方面への影響ってあまり考えたことなかった。美術のジャンルとしての「シュルレアリスム」だけを見ていたというか。

元々のシュルレアリスムが目指していた「無意識の探求」の一過程や試みである表現だということを忘れて、日本的「シュール」の意味と変わらない「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」の印象ばかり追ってたんだなぁとまた、自分の薄っぺらさを恥じる。。


当時のパリでシュルレアリストとさまざまなアーティストたち同士のつながりや交流(余談ですが、ウディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」のダリ、ブニュエル、マン・レイが出てくるシーン、コメディでフィクション要素も強いけどすごく好き)が、当然、化学反応を起こして広がって行った様子やその作品群が、今回の展示の切り口。

シュルレアリスムが当時トレンドとして"普通"に存在していたんだなと体感(なんてかっこいい時代!)したのと、それが今のファッションやアートにも脈々と(そしてあちこちに)受け継がれていること、そんなことを見たり感じたりして、今後色々なものを見る時の「見方」が変わるなぁっと楽しくなりました。


全体とても面白かったんだけど、個人的に一番印象に残ったのは、イタリア人の女性デザイナー、エルザ・スキャパレッリの展示。そのまま名前がブランドになっていたので聞いたことはあったけど、これまたよく知らなかった方。


誰でも思い浮かべることのできる色、「ショッキングピンク」はスキャパレッリの命名なんだそう。そしてその「ショッキング」という名前を冠し、代表作とも言われている香水瓶(これももちろん展示してあった)は、当時人気のハリウッド女優で彼女の顧客だったメイ・ウエストの実寸のトルソーがモチーフになっているんだけど、メイ・ウエストといえば、ダリの「唇ソファー」の唇のその人だし、展示されていたショッキングピンクのドレスの胸のラインも唇の形をしていた。

今でもよくあるトロンプルイユのデザインのセーターを世に出したのもスキャパレッリで、展示ではマッチ柄のイブニングドレスが出ていたけど、本当に可愛くて、今その柄のワンピースかスカートがあったら絶対欲しいのに・・・と。


何だかすごく惹かれて、帰ってきてから彼女の生涯について知りたくてファッションプレスのページなどを読んだら、同じ時期に活躍していたシャネルとは良きライバルであったみたい。

全く反対ともいえるスタイルを展開していたけれど、二人とも既成概念に捕らわれず、ファッションから女性を自由にしていたんだなぁと。このあたり、NHKでも一度BSでフランスのドキュメンタリーを放送していたみたいだし、それ以外にもyoutubeで検索すると対比させたドキュメンタリーがいくつかあるようなので、ゆっくり観てみたいな。

↓の動画のサムネイル、お二人とも本当にお美しい。。


また余談。

私が中学生くらいの頃に「黒(表)×ショッキングピンク(内側)」のエナメルのお財布を使っていたことがあって、確か母がバザーか何かで安く買ったかもらったかしたものだったと記憶しているんだけど、とにかく妙に気に入っていた。

その頃はマイメロにクロミちゃんもいなかったし、そんな配色って子ども向けにはあまりなかったと思う。

ショッキングピンクが好きなのは、それ以来だと思うし、そのお財布がピエール・カルダンのものだったことも覚えていたんだけど、ピエールカルダンのデザイナーはスキャパレッリのメゾンで修行を詰んだ方だと知って、また繋がった気がしたのでした。



もっと書きたいこともあるけど、気持ちいっぱいになったのでこのへんで。



図録をもちろん買いました!

何度もうっとり見たり読み返したり。

図録って、読むともう一度ゆっくり見に行きたくなるなぁ。

もう毎回図録を先にネットで買って読んでから行くべき?

←Amazonでも買えるようです。








奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム

公式サイト:





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About

ねこのて

都内在住。不惑枠が見えてきた。

「毎日コツコツ」が何より苦手だけど、保護猫との暮らし、妊娠・出産・育児、仕事など変化の多い日々を色々残しておくための記録。

何を書き記していくかは、行き当たりばったり。

がらくた箱(catchall)に放り込んでいきます。​

日々の料理(ワインに合う野菜メインのつまみ系)が趣味。季節を食から感じられるものが好き。最近は食後のチーズにハマり中。

出版系企業に勤めつつ"複"業中。企画、ブランディングサポート、ライティング、PR、サイト制作ほか、できること&面白そうなことは、割と広めになんでもやります。

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